2011年6月9日木曜日

極小ブラックホール

少し前だが、こんなニュースを見かけた。

極小ブラックホール、地球を毎日通過?

管理人は「極小ブラックホール」は初耳だったが、
なるほど、確かにありうる話だ。

重さ1000トンで原子半径より小さいとは、ブラックホールの密度がいかに大きいか、思い知らされる。

しかし、上記の記事にもあるように、おそらくまったく無害な上、観測が非常に難しい物質と思われる。

だが、管理人が真っ先に思い浮かんだのは、これを大量に捕獲することが出来れば、未来のテクノロジーとして有効活用できるのではないかということだ。

以前の記事にこのようなことを書いた。

知られざるブラックホール・テクノロジー

1.ブラックホールゴミ箱
2.ブラックホール灯
3.ブラックホールエンジン
4.ブラックホール発電所
5.ブラックホールウエポン

今になって思うと、ブラックホールうウェポンを除いて、実に有効な利用法ばかりではないか!

たとえば、1.のブラックホールゴミ箱にいま問題になっている、放射性廃棄物を捨てればよいだろう。ただし、ガンマ線や高速の素粒子が飛び出してくるようなので、かなり危険だが、規模によってはいらないものをいくらでも吸い込むという特性は使えそうだ。

そして、なにより期待したいのが、ブラックホール発電所だ。一見荒唐無稽なアイディアに聞こえるが、このようなものを無視してはいけない。何しろ、質量のあるものなら何でもエネルギー源として活用できそうだ。そこはかとなく危険な香りはするのだが。

2011年6月2日木曜日

今の日本に欠けているもの

今の日本に欠けている物・・・それはズバリ、デザイナーである。

不況がいつまでも続くのも、政局が混迷を極めるのも、いつも欧米のモノマネで終わってしまうのも、F1が勝てなかったのも、すべて「デザイナー不在」に原因がある。


そもそも、デザイナーすなわち「設計する人」とはなんだろうか?


大学時代、恩師の言葉で忘れられない言葉がある。それは、「設計(デザイン)とはなにか?」に対する答えである。

私は当時、なぜ日本にはデザイナーと設計者が別にいるのか疑問であった。英語ではどちらも「dsigner」となるがなぜ日本では別になるのか。これを聞いたとき、謎が解けた。

「設計とは直感で導き出した設計解の正しさを、客観的に証明してゆく過程である。」

あくまでスタートは「直感」でなければならない。言い換えれば、主観的、直感的に正しい設計ができる人がデザイナーであり、客観的にしかできない人はトレーサーである。

なぜならば、客観的であるということはロジックが明確であるということである。それならば、誰でも設計できるからだ。コンピュータに自動設計してもらってもいいし、人件費の安い国の労働者に日本人の1/100の人件費でやってもらっても良い。

むしろビジネスとしてはそういう流れは当然であり、このまま日本がトレースを続けていれば、人件費の安い国の労働者の100倍働くしか道は残されていない。

つまりに日本に存在する「設計者」は「設計マニュアルに」したがって設計したつもりになっているトレーサーである。

客観的なデザインと直感によるデザインの決定的な違いは、前者には「人間にしかできない何か」が含まれていない。

当然、意外性のある設計解や、オリジナリティーのある発明に結びつくはずもなく、現状の設計解の延長線上にある、単なる改良やモノマネ、性能が大きく変わらないものしかできてこない。さらに客観的な説明ができない場合、設計解を何も提示できない。

エイドリアン・ニューウェイや、ジェームズ・ダイソンのような人間こそ真のデザイナーである。彼らは常に誰も思いもよらなかったデザインを出してくる。

先が見えない今の日本には真の「デザイナー」が必要である。

2011年4月22日金曜日

放射能対策は副交感神経を刺激せよ。

福島の原発の事故が収束が見えない。

原子力は非常に少ない燃料で長時間エネルギーを取り出せるが、一度事故になってしまうと人間の手に負えなくなる。使用済み核燃料でも、数百度の熱を数百年熱を出し続けると、昔会った東芝の技術者が言っていた。

もちろん、この温度では発電効率が悪くタービンを回すには非効率なため、通常発電には使われない。スターリングエンジンや、熱電素子ならそれなりに発電できるだろうが、恐ろしく高コストな発電になるだろう。

そんな核燃料を数週間で収束させようということなどそもそも無理な相談なのだ。


そこで、根本に帰って考えてみよう。
まず、放射線がなぜ有害なのか?

それは体を貫通した放射線が遺伝子を傷つけるからだ。
もちろん、遺伝子が少々傷ついても、それに対応する仕組みを我々は持っている。

傷ついた遺伝子を修復するというよりは、傷つき、修復不可能な遺伝子を持つ細胞を除去するというのが正確なイメージだと思う。

傷ついた細胞のなかには極少数のガン細胞が生まれると考えられる。わわわれの体は100兆もの途方も無いたくさんの細胞から出来ているので、ある程度の数のガン細胞ができてしまうのは仕方がない。問題はそれを処理できない状態になった時なのだ。

では、ガン細胞をより除去しやすい状態にするにはどうすればよいか。

答えはズバリ、「がんばらないこと」である。
なるべくのんびりとリラックスして日々過ごせば良い。
そうすることによって、ガン細胞だけでなく、感染症にも強くなると考えられる。

免疫系には二系統あり、昼間に交感神経優位なときに亢進する免疫系と、夕方から夜間に副交感神経優位なときに亢進する免疫系があると言われている。

昼間の免疫系の主役は顆粒球であり、怪我などで侵入する大型の異物を活性酸素で焼き殺すという少々野蛮な方法で体を守っている。

夜の免疫系の主役はリンパ球であり、ウイルスや細菌、ガン細胞などを顆粒球より手の込んだ洗練された方法で処理している。この時、体温を上げることでリンパ球の能力が上がるため、リンパ球の活躍が必要なときは体温を上げる。

風邪をひくと夕方熱が上がり、朝になると下がるのは、夕方ウイルスが増えているのではなく、夜の免疫系が活発化しているからである。

人間には活発な時期に活躍する免疫系と、休息しているときに活発化している免疫系があるのだ。つまり、人間には活動的な時間と同じくらい休息が必要なのだ。

現代人はいつの日か物事を片側からしか見なくなり、24時間昼間のように活発になれば良いと考えるようになった。当然の帰結として、感染症やガンが増えるのだが、感染症は抗生物質などで免疫に頼らずともある程度押さえ込めた。しかし、ガンはなかなか抑えこむのが難しかったようだ。

産業革命以前、ほんの数百年前までは人類は夜間はおとなしく休息していた。今回の震災は自分たちのこれまでの生き方が正しかったのか再考するいい機会だと思う。

2011年3月25日金曜日

飲料水から放射線が検出される・・・対策を落ち着いて考える。

飲料水から基準値を超える放射線が検出された。

1キログラムあたり200ベクレルを少し超える程度ものもだが、ニュスが報道されるや否や、ペットボトルが売り切れ、パニック状態になっている。

今回はこの件について落ち着いて考えてみることにする。

結論から言うと「気にしなくて全く問題はない。」
あえて言うなら、自分自身の機能異常細胞を処理する免疫系の力を高めるようにしておくことだ。

まず、ベクレルという単位だが、1秒間に放射線を出した原子の数とのことだが、
それを聞いた瞬間にあまりの数の少なさに驚くと同時に、放射線の検出精度の高さに感服させられる。

なぜなら、18グラムの水には6.02×10^23個もの水分子が存在しており、そのような数と対比すると、毎秒200個というのはあまりに少ない。

例えば、地球上の海水1.37×10^21kgに、太平洋の真ん中で1kgの放射性元素が放出されたとし、これが仮に瞬時に均等に撹拌され、均等に薄められたとしても、地球上の海水には 1/1.37×10^21kg=7.30×10^-22kg の放射性元素が存在することになる。

面倒なのでこれがすべて水分子だと仮定すると、水分子は1kgで1000/18molであるので、上記の水1kgに含まれる放射性水分子(?)は

7.30×10^-22 × 1000/18 × 6.02×10^23 = 24400 個

つまり、太平洋の真ん中の秘密研究所から漏れたたった1kgの水分子が、地球上全体に薄められたとしても、1kgあたり2万4千個も存在しているのだ。

数十〜数百ベクレルを検出できるということは、放射性物質はこのような微量であっても検出されることを意味する。

個数の感覚はわかったとしても、実際に人体にどの程度影響があるのか気になるであろう。

これに関しては、そもそもラジウム温泉やラドン温泉では数百〜数千ベクレルもの放射能を持っており、飲用する例もあるぐらいなので、それほど神経質になる必要は無いと思われる。たとえば、新潟県 五頭温泉郷 村杉温泉の角屋旅館のページ

ラジウムやラドンとヨウ素は体内での吸収経路が違うので一概には言えないが、そもそも放射性物質は微量だが身の回りや体内に存在しており、生物は古くから微量の放射線を浴びながら進化してきた訳で、放射線によって傷ついた細胞を処理する処理系を我々生物は備えている。

今我々に出来ることは、ペットボトルの買い占めや、浄水器をあわてて買うことではなく、落ち着いて、免疫力を高める工夫をすることだ。

2011年3月15日火曜日

計画停電への備え(冷蔵庫編)

未曽有の大地震が起きた。
管理人は命に別状はなかったが、少しだけ被害を受けた。

いや、大惨事の真っ只中にいる人に比べれば、なんの被害もなかったに等しい。
日本中が大変な事になっている現在、自分に出来ることを考えてみる。

管理人の本職は熱系の技術者であるので、
これからしばらくの間続くことが確実な「計画停電」で最も困ることの一つ
・・・冷蔵庫の機能維持について考えてみる。

3時間程度の停電では冷蔵庫を開けなければ、それほど大きなダメージはないと思われるが、これから暖かくなってきたとき、あるいは、どうしても低温を維持できないと困る物・・例えば、病院で使う薬品類など・・・に対しては以下の対策が考えられる。



◯水は最高の蓄冷剤である。

冷凍機機能を長時間維持するのは難しいが、実質的なヒートマ
スを大きくすることで冷凍能力が断続的に変化した場合でも温度変化を少なくすることができる。よってなるべく実質的なヒートマスが大きい物を利用する。

そして冷蔵庫の温度域でヒートマスが大きい物質はズバリ水である。水を蓄冷剤として利用し、利用の仕方としては融解潜熱と顕熱を両方利用する。

水は蓄冷剤としては非常に優秀でなおかつ漏れたときのリスクも少ない。融解潜熱は333kJ/kgあり、冷蔵に使えるものとしては、ほぼ最大である。ゲル状の蓄冷剤が市販されているが、ゲル化によって対流が抑制され、放熱量が少なくなるため、長時間もつことはもつが、蓄冷剤としてみたときは、ゲル化剤の分蓄冷能力は少ないため、わざわざ買う必要はない。また、顕熱蓄熱として見た場合も、水の比熱は非常に大きく、液体で4.2kJ/(kgK)、固体つまり0度以下で2.1kJ/(kgK)あり、この温度域でこれ以上の物はない。

よって、水を利用した蓄冷剤を使用するのが最も賢いと思われる。管理人は以下の「ペットボトル蓄冷剤」を作り、停電に備えている。ちなみに、蓄熱量は潜熱量+顕熱量×温度差である。温度差はそれほど大きくないのでほぼ潜熱が支配的である。


◯ペットボトル蓄冷剤の作り方

1)作り方
ペットボトル(500ml)に水を85%くらい入れ、冷凍庫で凍らせる。
水は凍ると体積が10%程増大するので、満タンするとペットボトルが膨張し、場合によっては破損する。よって少し空気を残しておく。

2)使い方
凍ったペットボトルを停電の少し前に冷蔵室の上の方に入れる。停電して冷蔵室の温度が上昇すると暖かくなった空気は上方に移動するので、そこで凍ったペットボトル蓄冷剤で冷やすという考え方だ。

一般的な冷蔵庫の漏熱量がどのくらいかデータを持ち合わせていないが、おそらく100W程度のものであろう。とすると、3時間程度持たせるためには、

3×3600×100=1.08MJ となり、潜熱のみ計算すると、水3kg分の潜熱が必要となり、ペットボトル6本程度が必要ということになる。ただし、冷蔵庫に入っている物体や、冷蔵庫の壁面なども蓄冷しているわけで、これほどの量は必要ないかもしれない。あとは実際にやってみて様子をみるのがよいであろう。


◯その他の方法について

冷蔵庫を一時的に低温にし、温度上昇分をカバーすると言う考え方もあるが、温度差が大きくなると、ヒートポンプの効率は著しく低下するのでお勧めはしない。

言うまでもないが、停電中は極力冷蔵庫を開けないようにし、冷気を外に出さないことだ。

2011年3月2日水曜日

欧米の階級社会と企業のマネジメント法の関係

X理論とY理論という言葉をご存知だろうか?
人をマネジメントする手法として知られる言葉だが、
果てしなく簡単に言うと、

●X理論:性悪説に基づくマネジメント
●Y理論:性善説に基づくマネジメント

という感じでおおむね間違っていないと思う。
どちらが良くてどちらが悪いというものは本来無い。

ただ、出来ればY理論が採用されている企業や団体で働きたいと多くの人は思うだろう。

しかしはっきりしているのは、日本企業はほとんどX理論によるマネジメントを採用しているということだ。会社紹介などでいかにも我が社はY理論的マネジメントをしていますと思わせるような記事を見かけるが、これは一種のセールストークであり、真に受けてはいけない。

なぜなら、日本企業はY理論ではうまくマネジメントできなかったために、仕方なくX理論を採用しているのである。マネジメント側が意識しているかどうかはわからないが。

単純労働またはルーチンワークにはY理論はそぐわない。日本企業はひたすら作業内容を標準化し、ルーチンワーク化してきたがために、Y理論を適用すべき創造的な仕事をつぶしてきたのではないだろうか?

さらに、日本には欧米に見られるような支配階級と労働者階級と言った差がほとんど見られない。言ってしまえば、「総労働者階級」に近い。

欧米では支配階級である経営者側がY理論で、労働者階級である単純労働者がX理論でマネジメントされているのではないか?

つまり、幸か不幸か階級意識の無い日本にはY理論を導入するのは無理である可能性がある。

しかし、時代が求めているのは、機械のように勤勉に働いた結果生まれる何かではなく、もっと創造的な何かであろう。イメージとしてはapple社が打ち出してくるような魅力的で驚くべき製品やサービスではないか。

日本が元気になるためにはこのあたりから変える必要があるのではないか??

2011年2月26日土曜日

日米の特許の違い

管理人は特許を見るのが趣味で、いろいろな特許を読んでいるが、日米でずいぶんと様子が違うことに気づく。

まず、用語の違い。

日本で「先行技術」は英語では「prior art」という。「技術」を「art」と呼ぶのはなかなか素敵だ。

少し話がそれるが、その昔ユハ・カンクネンという最高峰レベルのラリードライバーが日本に来た時、車を走らせ終えて、
「これはドライブじゃない。アートなんだ。」(多分英語で)
と言ったという。

こんなニュアンスがひょっとしたら技術を表している「art」には含まれているのかもしれない。

さらに、「従来技術の課題」の対応する部分としては、「background of invention」と根本的に意味が違っている。

これは、日本の技術が主に欧米の技術の課題を改善することで成り立ってきたことと無関係ではないと思う。

つまり日本の発明には、改善すべき課題が存在することが前提となっており、米国ではそもそも改善レベルのものではない新しい概念を発明と呼ぶのだろう。

これはひょっとしたら非常に大きな問題ではなかろうか。

日本に世界を変えるような発明がごくたまにしかでてこないのは、
もしかしたら、発明届出書の文面に問題があるのかもしれない。

2011年2月1日火曜日

2012年に宇宙船が地球に接近!?

2012年というと何かと話題が多いようだが、
昨年末ぐらいから、こんな噂が飛び交っている。


どう見ても何かの冗談としか思えないが、
異星人と接触というのは、水だけでいくらでも走れる車とか、宝くじが確実に当たる方法とか、幸運を呼ぶ奇跡の○○とかよりは原理的に言って、十分可能性のあることである。

で、当ブログでまじめに検証してみる。

「現在冥王星付近で2年後に地球到達する」という情報から
宇宙船の速度を計算してみると、

(地球−冥王星間の距離約50億km)/(2×365×24×3600秒)
=79.27[km/s]

うむむ、これは意外にリーズナブルな数字だ。

なぜなら、惑星間航行をする宇宙船というのは、少なくとも太陽クラスの恒星の重力を振り切って移動する速度を出せる性能を持っているはずで、その速度は太陽の場合、16.7[km/s]である。これは第3宇宙速度ともいわれる。

で、さらに銀河系の重力をも振り切って移動する場合は、300[km/s]以上の速度を出す必要がある。しかし、銀河系を脱出して移動しても、何億年もかかってしまうので、せいぜい、近くの恒星系からやってくるというのがリーズナブルだ。

例えば、上記の秒速79.27[km/s]で最も近い恒星系からやってきたとすると、1万5000年かかる計算だ。ただし、冥王星通過時点で既にかなりの減速をしている可能性もある。

もしくは、2年後に地球との相対速度を0になるように計算して減速していると仮定すると、速度は2倍程度である可能性がある。

まあ、この数字ってのは意外にリーズナブルなんじゃあるまいか。これが、何億年も宇宙旅行をしてきたとなると嘘くさいが。


あとは、何千年もかけてやってきたとすると、出発時点でどうやって地球の情報を得たのかということが問題だ。まだ地球から電波は出していないし。少なくとも、何千年かけてでもやってくる価値のある惑星であることは確かめなければならない。

いくらなんでも、偶然通りかかったら、良さそうな惑星があった。というのは非現実的すぎる。

いずれにしてもなんだか怖いような不思議な話だ。