ラベル テクノロジー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル テクノロジー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2011年2月26日土曜日

日米の特許の違い

管理人は特許を見るのが趣味で、いろいろな特許を読んでいるが、日米でずいぶんと様子が違うことに気づく。

まず、用語の違い。

日本で「先行技術」は英語では「prior art」という。「技術」を「art」と呼ぶのはなかなか素敵だ。

少し話がそれるが、その昔ユハ・カンクネンという最高峰レベルのラリードライバーが日本に来た時、車を走らせ終えて、
「これはドライブじゃない。アートなんだ。」(多分英語で)
と言ったという。

こんなニュアンスがひょっとしたら技術を表している「art」には含まれているのかもしれない。

さらに、「従来技術の課題」の対応する部分としては、「background of invention」と根本的に意味が違っている。

これは、日本の技術が主に欧米の技術の課題を改善することで成り立ってきたことと無関係ではないと思う。

つまり日本の発明には、改善すべき課題が存在することが前提となっており、米国ではそもそも改善レベルのものではない新しい概念を発明と呼ぶのだろう。

これはひょっとしたら非常に大きな問題ではなかろうか。

日本に世界を変えるような発明がごくたまにしかでてこないのは、
もしかしたら、発明届出書の文面に問題があるのかもしれない。

2010年11月4日木曜日

米国特許 第7,777,777号が登録される

ハードディスクがクラッシュした。偶然にも前日にバックアップを取っていたので、被害はほぼなかった。ハードディスクバルク品を買い、PCをリストアして、久しぶりに記事を書くかと思い、そういえばそろそろ米国特許第7,777,777号が登録されるころだなと調べてみたらとっくに登録されていた。

System and method for active call monitoring

 Kevin Bowman et al

Patent number: 7777777


Filing date: Apr 28, 2003
Issue date: Aug 17, 2010
Application number: 10/424,310

A video call monitor manager creates a video call monitor engine for initiated video calls between plural video devices with the video call monitor engine having a monitoring thread for each video device of the video call, the monitor threads periodically polling their associated video devices...


Inventors: Kevin Bowman, James Lemieux


Assignee: Tandberg Telecom AS
Primary Examiner: Rasha S Al Aubaidi
Attorneys: Oblon, Spivak, McClelland, Maier & Neustadt, L.L.P.


テレビ会議などを手掛けるノルウェーのタンバーグテレコム社がこの歴史的な特許番号を手に入れたようだ。時代はネットワーク・コミュニケーションを必要としているということであろうか。

エネルギー関係だという私の予想は見事に外れたが、時代を反映しているといえば、たぶんそうであろう。

それにしても今年のUSPTOは特許をずいぶん甘く通しているようだ。例年より遥かにペースが早い。

不審に思って特許関係の知り合いに聞くと、権利化までに時間がかかり、しばしば「サブマリン特許」として不具合を起こすとして、各方面からUSPTOにクレームがあり、審査の基準の明確化とスピードアップを図る方向になったらしい。

さて、次に狙うべき番号はいくつか?8888888?だいぶ先だ。






2010年8月29日日曜日

プラズマテレビ HITACHI P42-XP05 の検証

前回の予告通り、プラズマテレビを購入した。
hitachiのWooo P42-XP05を100,880円でネットで購入。結論からいうと大満足である。

画質について
画質はとても綺麗で非常に良い。やはり動きがとてもなめらかで、コントラストの高い映像が得られているのがわかる。友人に聞いた話だが、液晶の2倍速、4倍速は確かにきれいだが、中間画像を予測して作っているので、時々計算が破綻することがあり、おかしなことになってしまうらしい。

例えばF1がシケインを通過するときのように、激しく動く方向が変わる場合は、予測が不可能だ。また、画面が切り替わってから少しの間は動きの予測ができず、少し残像感が出ることがある。

この点はプラズマは基本性能でカバーしているため、全く問題はない。

しかし、その他で気になったところもある。画質をおすすめの「スタンダード」にすると、かなり暗い感じがする。特に画面全体が白一色に近くなるとこの傾向が顕著だ。やはり消費電力を落とすため、いろいろ処理をしているのであろうか。

だたし、明るいモードに切り替えると違和感は全くないのだが、まぶしすぎるので「スタンダード」が最もいい感じだ。

全体としては、大成功と言える選択だったと思う。

ちなみに今回の買い物は楽天あたりだとこちら。
HITACHI P42-XP05
コーナーテレビ台 KODO

TVは価格.comだともっと安く、8月29日現在だと約¥97,878円くらいだ。

2010年8月1日日曜日

液晶かプラズマか

当ブログ管理人はやや変わり者を自認しているので、世間が一斉にある方向に向かっているとき、あえて逆の方向を向いてみたりする習性がある。

「地デジ」とか大キャンペーンをやられると、かえって、「なにか違うのでは?」と考えることが多い。そういうわけで、我が家のちょっと広めのリビングには未だにブラウン管テレビが鎮座している。しかし、最近さすがに不具合が目立ってきた。さらに、最近のテレビの安さ。そろそろ買い換えてもいいかな・・・と思わせるには十分に安くなってきている。

そこで大問題が発生する。液晶かプラズマか?という問題だ。数年前であればプラズマの消費電力の多さは圧倒的に不利であった。最近のエコブームも手伝って、プラズマディスプレイは絶滅寸前まで追いやられ、日系メーカーでは現在パナソニックのみがパネル製造メーカーとしてわずかに生き残っている。

しかし、最近状況が大きく変わってきた。低消費電力型プラズマディスプレイの登場である。最近のプラズマは下手な液晶より消費電力が小さくなってきている。
プラズマのおそらく最大の欠点が大きく改善されつつある。ここで液晶とプラズマとを当ブログ独自の観点でまとめてみると、


  • 液晶ディスプレイ
    • 応答性△
    • コントラスト△
    • 消費電力◯
    • 耐久性◯
    • 画面の強度×
    • 構造の単純さ×
  • プラズマディスプレイ
    • 応答性◯
    • コントラスト◯
    • 消費電力◯
    • 耐久性△
    • 画面の強度◯
    • 構造の単純さ◯
こうなると気になるのは耐久性である。個人的には液晶の耐久性が◯と言えるのかどうかはなんともいえないと思っている。なぜなら、液晶は構造が複雑であるので、どこが最初に壊れるのかは専門家でないとなかなかわからないだろう。

そこで例によって特許を調べてみた。まずは液晶ディスプレイから


【特許公開2008-34841】より引用
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)は、一般的に、携帯電話、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップモニタ、及びテレビジョンに使用される。LCDは、バックライトを必要とする。フルカラーのLCDには、バックライトは、白色光である。白色光の白色点は、一般的にLCD製造業者により指定され、様々な用途に対して異なる場合がある。白色点は、加熱黒体色温度として特定されている。
一般の白色光バックライトには、蛍光管、又は赤色、緑色、及び青色LEDの組合せのいずれかを使用する。
【0003】
TV及びモニタ用のような中型及び大型バックライトには、各色から成る多数のLEDが使用される。典型的には、単色のいくつかのLEDがプリント回路基板(PCB)上に直列に接続される。一般的に、バックライトには、外部電流ドライバが使用され、各ドライバは、赤色、緑色、又は青色LEDの1つ又はそれよりも多くの列を駆動する。LEDを通る電流量は、輝度を制御する。RGBのLEDの群は、一般的に、単一のPCB上に取り付けられ、大型LCDでは多数のPCBがある場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LCDスクリーン全体にわたって色の均一性を有することが重要である。これは、一般的に、各LEDをその特性に応じて「種分け」し、次に、白色点が厳密に適合した基板だけが単一のバックライトに使用されるように、PCB上に種分けされた赤色、緑色、及び青色LEDを組み合わせることにより達成されてきた。均一な光特性を有する基板を作る工程は高価で多大の時間を必要とする。その上、PCB内部及びPCB間の変動は、完全には抑制されていない。
【0005】
色の均一性に対して更に障害になるものとして、LEDの輝度が時間の経過に伴って変化し、かつ全てのLEDが同じ量だけ変化するとは限らないことがある。従って、初期の色均一性が良いバックライトは、時間の経過に伴い次第に不均一になってくる。別の問題は、直列内のLEDが故障して開回路になると、直列の全LEDは電力の受電を停止することになることである。これは、付加的な不均一性をもたらす。
巷で大流行のLED液晶は相当難しそうな課題を抱えているようである。液晶自体の寿命が長くてもバックライトが長期間安定した性能を発揮し続けるとは限らないようである。こうなると自発光のプラズマは問題は単純である。

【特許公開2010-102836】より引用
本発明は表示デバイスとして知られるプラズマディスプレイパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、双方向情報端末として大画面、壁掛けテレビへの期待が高まっており、そのための表示デバイスとして、液晶表示パネル、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの数多くのものがある。これらの表示デバイスの中でもプラズマディスプレイパネル(以下、PDPとする)は、自発光型で美しい画像表示ができ、大画面化が容易であるなどの理由から、視認性に優れた薄型表示デバイスとして注目されており、高精細化および大画面化に向けた開発が進められている。
【0003】
PDPは表示電極、誘電体層、MgOによる保護層などの構成物を形成した前面板と、電極、隔壁、絶縁体層、蛍光体層などの構成物を形成した背面板とを、内部にR・G・Bそれぞれの微小な放電セル(以下、単にセルとする)を形成するように対向配置されるとともに、周囲を封着部材により封止されている。そして、そのセルにネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などを混合してなる放電ガスを例えば66500Pa(約500Torr)程度の圧力で封入している。
【0004】
元来PDPは自発光型であるため各セルは非常に高い視野角を有するが、高精細化・大画面化に伴い全領域で均一なパネル特性が求められるため、材料物性・構造形成プロセスに対して対策が様々に施される。例えば、放電空間並びに蛍光体形状を定義して、同箇所に2回の塗布プロセスを用いてその構造を実現する方法を見出し、視野角の変化に対して蛍光体からの均一な発光を得る方法等が開示されている。
【0005】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【特許文献1】特開2000-208057号公報
【特許文献2】特開2006-040794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで近年の環境問題への関心の高揚に伴い、構成成分に実質的に鉛を含まない技術が開発されている。PDPの背面板の絶縁体層に関しても、これまで鉛を構成成分に含む材料が用いられてきたが、近年は実質的に鉛を含まない材料に代替する技術が確立されてきている。
【0007】
しかし、鉛を含まない絶縁体層を用いた場合、PDPを点灯させる時間が長引くにつれ放電のために必要な電圧が徐々に高くなり、ついには回路で設定された電圧では点灯できないという状態になるという課題が生じることが明らかになった。この現象はPDPの寿命を決定するものであるため、この課題を解決することは、PDPの寿命を延ばすという意味で極めて重要である。

なるほど、プラズマディスプレイの寿命を決めているのは、鉛フリーの絶縁体層が関係しているらしい。意外なところが寿命を決めているようである。

さて、結論はどうであろうか?当ブログではなんとなくお分かりとは思うがプラズマディスプレイに軍配を上げたい。上記の特許を比較してもどちらが有利とは結論づけられないが、液晶ディスプレイに必ずしも圧倒的な優位性がなさそうである以上、それほど有利ではないはずだ。なにより同一機能で比較した場合の安さは魅力である。この休み中にでも購入して確かめてみたい。もちろん、寿命までは確かめられないが。

2010年6月23日水曜日

米国特許 第7,777,777号は誰の手に?

当ブログ以外で誰も注目していないと思われるが、おそらく今年年末に米国特許は記念すべき第7,777,777号に到達する。ちなみに第7,000,000号は2006年にDu Pontが取得している。ユーモアのわかる米国企業らしくHonme Page上で話題にしている。当時のUSPTOの公式Press Releaseには、それまでの節目の特許の内容を紹介している。



Patent Assigned to DuPont for Novel Fibers
WASHINGTON, D.C. – The Department of Commerce’s United States Patent and Trademark Office (USPTO) today issued patent No. 7 million to DuPont senior researcher John P. O’Brien for “polysaccharide fibers” and a process for their production. The fibers have cotton-like properties, are biodegradable and are useful in textile applications.

It took 75 years to get from patent No.1 to patent 1 million. It has taken less than one tenth of that time to go from 6 million to 7 million patents. 

  • Patent No. 1 million was issued on August 8, 1911, for a tubeless vehicle tire.

  • Twenty-four years later, on April 30, 1935, patent No. 2 million issued for a vehicle wheel to increase the safety and longevity of pneumatic tires.

  • Patent No. 3 million issued 26 years later on September 12, 1961, to an inventor at the General Electric Co., for an automated system that translated letters, numbers and symbols to data processing code.

  • Patent No. 4 million issued 15 years later on December 28, 1976 for a process for recycling asphalt aggregate compositions.

  • Fifteen years later, on March 19, 1991, Patent No. 5 million issued to a University of Florida inventor, for a more efficient way to produce fuel ethanol.

  • Only eight years later, patent No. 6 million issued on December 7, 1999, to 3Com Corporation’s Palm Computing for its HotSync® technology.

  • And now just a little more than six years later, patent No. 7 million issues.

  • Patent No. 1 was issued in 1836. Earlier patents were not numbered, although the first U.S. patent was issued in 1790. Approximately 10,000 patents were issued between 1790 and 1836. The USPTO issued 151,079 utility patents in fiscal year 2005. 

    どれも時代を色濃く反映した特許ばかりである。当ブログの計算によると、現在一日460件の特許が登録されており、このペースで行くと今年2010年10月27日あたりに米国特許始まって以来のラッキーナンバー7,777,777に到達する。

    さて、どのような特許がこの幸運を得るのであろうか、当ブログの大胆予想ではgoogle社のエネルギーの利用に関するものと予想しておく。これほどのラッキーナンバーであるから、この特許が人類の幸運な未来を切り開いていくものと期待したい。

    2010年6月19日土曜日

    知られざるブラックホール・テクノロジー

    LHC(大型ハドロン衝突型加速器)が稼働しているが、当初ブラックホールが生成してしまうのではないかという話題があった。ついに人類はブラックホールを作り出すことができるのであろうか?

    地球が吸い込まれる?・・・心配ない。ブラックホールといえども、質量が同じなら発生する引力は通常の物質と同じである。ホコリほどの質量のブラックホールを作り出すことが出来たとしても(おそらく、それでも十分に不可能なほど大きいと思われるが)発生する質量はホコリと同一である。ホコリを吸い込んだことがある人は多いと思うが、ホコリの引力に吸い込まれていった人はいないと思われる。

    それはさておき、今回は人類がいつの日かブラックホールを自由に使いこなせるようになった時のためにその有意義な利用法について考察してみる。

    以下のような利用法が考えられている(参考文献1.)。

    1.ブラックホールゴミ箱
    これほど実現性がなさそうな割に大したことはない利用法もないのだが、何でも底なしに吸い込んでしまうという特性を利用したものである。ひょっとしたら放射性廃棄物のような処理しきれないものを処理するには便利かもしれないが、リサイクルができなくなるという難点がある。
    しかし、ブラックホールがあまりにも小さいと、吸い込む速度が非常にゆっくりになってしまう。ブラックホールは底なしではあるが、入口の大きさは有限である。ゴミ箱として有効な物を作るには相当な質量のものを作る必要がある。よって、リビングの片隅に便利なアイテムとして登場するのは期待しない方がいいだろう。

    2.ブラックホール灯
    ブラックホールに物質を落とすと、吸い込みきれない物質はエネルギーとして吐き出される。その際、ブラックホール周辺の物質が光り輝く。ただし、ガンマ線などを放射されても、明るくならない上に健康にも良くないと思われる。リビングに使うランプとしては、今のところ電球型蛍光灯が良さそうだ。

    3.ブラックホールエンジン
    これはかなり実用性が高そうだ。ブラックホールから出るジェットを推進力として使うアイディアである。しかも一度建造してしまえば、心臓部のブラックホールのメンテナンスは必要ない。それどころか、人類が滅亡してもなおジェットを吹き続けそうである。ただし、危険極まりないブラックホールをどのように保持するか、高速で吹き出すジェットをどのように制御するか、この辺がこの技術の肝になりそうだ。「風の谷のナウシカ」に出てくる滅亡した過去の高度な文明が使用していたエンジンはこのような物なのかもしれない。

    4.ブラックホール発電所
    これはなかなか技術の規模とニーズの大きさのバランスがとれたアイディアである。こちらも建造してしまえばいくらでもエネルギーを取り出せそうだ。厳密には「フリーエネルギー」ではないが実質的にそう考えても良いかもしれない。参考文献1.の福江純氏によると
    4000万トン級のブラックホール発電所が、出力2300憶Wと見積もられている。ただし、3兆度もの温度になるようだが・・・。

    5.ブラックホールウエポン
    ブラックホールの潮汐力を利用した武器である。しかし、当ブログではこれはあまり実現性が無いのではと考えている(これまで紹介したものすべて実現性はなさそうだが)。理由は人類が今のように好戦的であり続ける限り、テクノロジーの進歩は人類の生存を脅かす方向にしか使われないと思われるからである。つまり、ブラックホールウェポンが製造されるような高度なテクノロジーを手に入れることが出来る前に、人類は自らの手で滅亡してしまうだろう。よって、ブラックホールウェポンは決して製造されることはないだろう。

    当ブログのイチオシのアイテムは何か・・・個人的には1.のブラックホールゴミ箱である。
    実現に必要な技術の高度さと、使おうとするニーズの低レベルさのアンバランスが素敵である。

    参考文献
    1.ブラックホール宇宙  福江 純  サイエンス・アイ新書

    2010年6月12日土曜日

    LED電球の知られざる真実

    今回は今注目のLED電球について知られざる一面について考えてみたい。


    ずばり、LED電球は買いか?・・・結論から言うとNOである。
    技術的にはまだ未完成であるというのが当ブログの結論である。


    LED技術の最新の技術動向をバイアスなしに調べる方法があれば、そこにLEDの課題が見えてくるはずだ。
    世の中の記事というものは多かれ少なかれバイアスが入っている。メーカー発表の資料は本当の問題を決して語りはしないし、何らかのメディアもスポンサーの関係を無視した記事を書きにくいからだ。


    しかし、最新の技術動向は企業によって厳重に機密保持されているかといえば、むしろ逆で、積極的に公開されている。それは、特許という制度があるためである。
    通常の研究開発はこのような順番で進められる。
    1. 研究開発(アイディア)
    2. 特許出願
    3. 商品開発
    4. 論文発表
    5. 商品化
    つまりアイディアが出た時点で我先にと特許出願をしてしまう。さもなければ競争相手が同じアイディアを出願してしまうかもしれないからである。
    そして、出願から1年半後に公開される(日本の場合)。
    よって、最先端の研究成果のわずか1年半後には世界中の人に向けて公開される。よほど単純な技術でない限り、この時点(1年半後)ではまだ商品化されていない。
    つまり、私たちは誰でも、これから商品化されるかもしれない最新の研究成果を見ることが出来る。


    話は戻るがLED電球についてこのような特許が出願されている。
    この特許は LED電球について非常にわかりやすく説明してくれている。
    特開2007-5549
    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、白色発光LEDランプに関する。
    【背景技術】
    【0002】
    現在、白色を発光させられる白色発光LEDランプには主に三種類ある。一つ目は、青色LEDを、青色励起で黄色光を発光する黄色発光蛍光体を含む透明樹脂で覆ったもの(特許文献1参照)、又は、青色LEDを、青色励起で緑色光を発光する緑色発光蛍光体と青色励起で赤色光を発光する赤色発光蛍光体を含む透明樹脂で覆ったランプパッケージであり、青色LEDからの青色光とこれにより励起した黄色発光蛍光体からの黄色光とを混合、あるいは青色LEDからの青色光とこれにより励起した、緑色発光蛍光体からの緑色光および赤色発光蛍光体からの赤色光とを混合することにより、白色光とするものがある。
    【0003】
    二つ目は、紫外線LEDを、紫外線励起で青色光を発光する青色発光蛍光体と紫外線励起で緑色光を発光する緑色発光蛍光体と紫外線励起で赤色光を発光する赤色発光蛍光体とを含む透明樹脂で覆ったランプパッケージであり、青色LEDからの紫外線で励起した、青色発光蛍光体からの青色光、緑色発光蛍光体からの緑色光および赤色発光蛍光体からの赤色光を混合することにより、白色光を得るものである(特許文献2参照)。
    【0004】
    三つ目は、パッケージ内に青、赤、緑それぞれに対応する3つのLEDチップを搭載して樹脂封止したランプであり、各色のLEDを同時発光させ、混色し白色とするものがある(特許文献2参照)。
    【特許文献1】特開2004−55772号公報(図8)
    【特許文献2】特開2001−111114号公報
    簡単にまとめると
    白色を発光させられる白色発光LEDランプには主に三種類ある。
    1. 青色LED+蛍光体
    2. 紫外LED+蛍光体
    3. 3色LED
    そして、課題としてはこのように書いてある。
    【発明が解決しようとする課題】
    【0005】
    しかし、上述した3タイプの白色発光LEDランプのうち、赤色発光蛍光体を使用するものに関しては、現在、赤色を発光する蛍光体で青色や紫外線を赤色に変換する変換効率の高いものが実用化されていない為、照明として使用した場合、赤色の色再現が不十分である。また、青色LEDの発光と黄色発光蛍光体の発光とによって白色を作り出しているものでも、赤色成分がほとんど含まれていないため、照明に適用する場合に赤色の再現が非常に低い。
    【0006】
    さらに、青、赤、緑の3色のLEDチップを使用する場合は、各色のLEDが優れた単色性ピークを有するために、色むらが生じやすいという問題があるとともに、3つのLEDそれぞれに電源回路が必要になるのでコストが高くなるといった問題もある。
    つまり、照明用として使うには色の再現性が低いと言うことである。現在は1の青色+蛍光体のLEDが主流である。この方式は赤の再現性が低い。赤色の再現性と言うのは人間にとって非常に重要であると考える。女性が口紅を塗るのは赤色の印象が特に際立っているからだと考えられる。よって、照明という用途を考えたとき、非常に重要なポイントをクリアしていないというのが当ブログの結論である。


    ちなみに上記の特許は2005年出願であるからすでに技術が進歩して解決した可能性がある。
    そこで違う特許を調べてみた。
    特開2010-092993 
    光源としてLEDを用いた照明装置においては、青色LED、緑色LED及び赤色LEDの3種類の異なる発光色のLEDを用い、これらのLED夫々の発光強度を制御することにより、電球色~昼光色の範囲に亘って照明光の色温度を自在に変化させることが可能となる。図11は、照明光の色温度が5000Kになるように青色LED、緑色LED及び赤色LEDを点灯したときの分光分布を示す図である。なお、図11の横軸は波長(nm)を、縦軸は相対強度を夫々示している。図11に示すように、これら3種類のLEDからの光の重ね合せにより得られる照明光には、580nm近傍の波長領域のスペクトルが殆ど存在しない。これは、青色LED、緑色LED及び赤色LEDが、優れた単色性を有している、即ち発光スペクトルの半値幅が白熱電球又は蛍光灯と比較して狭いためである。この結果、黄色~橙色の物を正しい色で見ることができず、演色性が良くないという問題がある。なお、演色性は、色の見え方に及ぼす光源の性質であり、演色性が良いほど、物の色が自然な感じに見えることになる。
    従来の技術例のスペクトル分布
    本来は連続したなだらかなカーブになるのが理想である。
    これでは物の色が正確に見えるとは思えない。
    この発明の実施例によるスペクトル分布
    上の例よりかなりよくなっているが、
    非常にピーキーな山が残っている。


    つまり、2010年に公開されたこの特許でも、演色性・・・色の見え方の問題は解決されていないようである。しかもこの特許の方式は3色混合法式である。これは先述の特許ではコストが高くなると書いてある。お金をかけてこの現状でLED電球にどのようなメリットを見いだせるのであろうか?・・・電球型蛍光灯に対して明らかに勝っているのは、

    • 寿命
    • レスポンス

    くらいと思われる。トイレ用?私なら白熱電球を使う。